もうひとつの万物理論

重力は張力の反作用であるという事実から宇宙の仕組みを考える

8 地球上に存在する物質の成り立ち

 

8-1:はじめに

 前回は、この宇宙空間に存在する全ての物質が引き伸ばされる過程にあり、現時点で最も分裂が進み、極限まで細分化された結果として陽子が存在することを考えました。

 したがって、陽子は、その強い結束力と密度によって、その容積の限界を遥かに超えた張力によっても容易に引き伸ばされることはないため、その容積に見合わない強い重力が働き、それに伴う強い圧力に押し潰されることによって高いエネルギーを蓄えていること考えられること、そして、今後も宇宙空間の膨張が進めば、その陽子さえ分裂する可能性があることについて言及しました。

 本編では、その陽子の成り立ちや性質を端緒に、私たちの身の周りに存在する物質や、その由来となる地球内部の構造について考察します。

 
8-2:物質の構造(電子が陽子に埋没しない理由)

 私たちの身の周りに存在する物質を構成する主な要素は、陽子と中性子です。

 水素を構成する主たる要素が陽子単体であり、それ以外の物質の主たる要素が陽子と中性子であることを考えると、二者の間に電荷の有無以外に大きな違いは無いと考えていいと思います。

 また、陽子と中性子の容積は後者が電子一つ分だけ大きく、陽子一つと電子一つの電荷は互いに相殺する強さであり、そして、この地球の表面付近における単体での安定性は、陽子の方が圧倒的に高いと考えられています。

 それらを踏まえると、次のように考えることはできないでしょうか。

 そもそも物質の主たる要素は中性子であり、それが、地球の表面付近における強い張力に引き伸ばされることによって電子を放出し、陽子が存在する。

 陽子に働く張力は、その表面を最大に、そこから遠ざかるに従って弱まってゆく。

 他方、陽子と電子は互いの電荷によって強く引き合っている。

 その結果、電子は、陽子に働く張力と、電荷により引き合う力が釣り合う距離上を、高速かつ不規則に周回する。

 陽子の周りを高速かつ不規則に周回する電子が自他の境界となり、その物質は安定する。

 そのようにして私たちの身の周りに存在する物質が成り立っている。

 そうだとすれば、水素の原子核に張力を上回る圧力が掛かれば、電子は陽子に埋没し、中性子になってしまうでしょう。そして、更に圧力が強まるか張力が弱まれば、中性子は、その容積で存在する必要は無くなってしまう。つまり、もっと大きな容積で存在することもできる可能性がある訳です。

 

8-3:地球の内部構造(地球は巨大な中性子である)

 私たちが存在するこの地球の表面付近は、この地球上で最も強い張力が働いていると同時に、大気圧という極めて低い圧力がかかっている状態です。しかし、地表からその中心に向かうに従って張力は徐々に弱まりつつ、圧力は、それを遥かに超える勢いで強さを増してゆきます。例えば、海水という密度の低い物質ですら、その表面から一歩内側に入っただけで大きな圧力がかかることを私たちは知っています。この地球が、海水よりも遥かに密度の高い流動体の塊だとすると、その内部にかかる圧力は想像を絶するものでしょう。そして、その中心付近では殆ど張力が働かず、最大の圧力が掛かっているのです。

 地球の内部は鉄でできていると考えられているようですが、鉄に限らず地球上に存在する全ての物質は、原子レベルで見れば極めてスカスカな状態です。それは、この地球の表面付近だからその状態で存在できるのであって、猛烈な圧力によって押し潰されている環境下で、その原型を留めることは決してできないでしょう。

 地球の内部は、圧力が張力を圧倒的に凌駕する過酷な環境であり、その猛烈な圧力は中心へ向かうほど急速に強まっていきます。

 そこでは全てが極限まで押し潰され、原子同士の隙間は直ちに塞がれ、電子は陽子に埋没し、全て中性子となってしまうでしょう。

 中性子は隙間なく密集し、もはやその容積で存在する理由はありません。そして、中心に向かうほど強まる圧力によって大きさを増し、最終的に巨大な中性子となり、その中心付近に至っては流動体ですら在ることができなくなってしまう。

 地球の内部は、全てが極限まで押し潰されてしまう。だから、巨大なエネルギーを蓄え、決して失わなることがないのです。

 そして、地球が巨大な中性子だとすると、地球を生んだ太陽も、その他の全ての天体も、全ての物質の素となっているのは、私たちが中性子と呼んでいる物質の(集まりではなく)塊であるところの、流動体ではないでしょうか。

 

8-4:地球上の物質が形成される過程 (放射性物質を含む)

 地球は巨大な中性子である。

 中性子の原型は流動体であるが、その中心は、猛烈な圧力によって流動性を失っている。

 その中心から外側に向かうに従って圧力は弱まり、張力は強まる。

 その巨大な中性子の塊は、その内部に働く張力が圧力を超えた場所から分裂し始める。

 そこから表面に向かうほど張力が優勢になるため、中性子は更に分裂し、地表に近くなるほど小さな中性子が密集する状態となり、最終的に私たちの知る容積となる。

 その一つ一つの中性子にも張力(重力)が働いており、それが周囲の圧力を上回った所から中性子は電子を放出しはじめ、陽子ができるようになる。その電子は、まだ自由電子として浮遊している。

 そこから地表へ向かうほど陽子の数は増加するが、決して陽子だけにはならない。陽子同士は同じ電荷によって反発し合うからである。そして、陽子と中性子は互いの強い重力によって引き合い、自ずとペアとなる。ペアの片方である中性子が電子を放出すれば自ずとそのペアは解消され、互いに別の中性子とペアとなる。その結果として、陽子と中性子がおよそ同数で密集する層が形成される。

 そこから更に地表へ近づき、地球に働く張力が、圧力を超えた場所から、陽子と中性子がおよそ同数で密集する層から分裂し始める。そして、その分裂した陽子と中性子の集まりは、陽子と同数の自由電子を引き付けることによって他の物質と切り離され、安定し、物質が形成され始める。しかし、まだ地表とは比較にならないほど強い圧力が掛かっているため、地表では考えられない「重さ」の物質となっている。

 そこから更に地表へ近づくほど張力が優勢となるため、その「重い」物質は、様々な数のペアを分裂し、私たちの知る物質が形成される。

 また、陽子と中性子一つづつのペアは、二つの粒子に対して一つの電子しか無く安定しないため、中性子が電子を放出することによって自ずとペアは解消され、二つの水素原子となる。

 そして、地殻変動によって、地表の環境では安定して存在し得ない「重い」物質が、時々地表に顔を見せる。

 その「重い」物質は、地表における強い張力と弱い圧力に晒され、既に固体となっているため分裂することもできないため、それを構成している粒子を、長い年月をかけて放出し続ける。

 それが、放射性物質である。